猫の肝臓病(肝炎と肝硬変)

・猫の肝炎と肝硬変の症状と原因
 食欲不振や脱水症状。ひどくなると下痢、嘔吐などを繰り返し発熱します。肝臓の働きの低下により黄疸が現れ、白目や口の粘膜が黄色っぽくなる事があります。
 原因としては、ウイルスや細菌に感染したため肝炎になる事が多いようです。薬物や毒物も原因になる事があります。なぜなら、殺虫剤にはワルファリンという毒物が含まれており、殺虫剤で弱ったネズミを猫が食べて中毒症を引き起こし肝炎になる事もあります。
 肝炎は、肝臓の細胞が炎症を起こし、変性し、壊死する病気です。肝炎が悪化すると肝臓の細胞が繊維のような状態になり、肝臓の働きが悪くなります。これを肝硬変といいます。
・猫の肝炎と肝硬変の治療法
 猫の体力を維持する事が第一です。それと平行して原因となっている病気を治していきます。肝臓は人間同様に症状が出にくい臓器なので、肝炎と診断された時には症状がかなり進んでいるケースが多いです。出来れば定期的な健康診断が肝炎の予防法であると思います。
 治療としては、2〜3週間輸血を行い、肝臓の働きを回復させる為に強肝剤を投与します。全て猫の体力を維持しながら行います。
 猫の肝炎は一度回復したように見えても完治しておらず、再発する事が多いです。したがって、長期にわたる薬の投与と定期検査が必要です。

猫の肝臓病(脂肪肝:肝リピドーシス)

・猫の脂肪肝の症状と原因
 正常な猫では、体内の脂肪組織、食料から摂取した脂肪や、肝臓の間で脂肪酸の循環が行われており、この摂取と消費のバランスが崩れると肝細胞に脂肪がたまっていきます。
 特に肥満の猫では、4から5日食べない状態が続くと一気に黄疸がでて死亡する事もあり、これを肝リピドーシスといいます。
・猫の脂肪肝の治療法
 猫の脂肪肝は貯蔵脂肪が沢山ある為、食事をとらないとエネルギー源として体脂肪を使い始め、ますます脂肪酸の収支バランスを崩してしまいます。
 したがって、この治療は点滴や強制給仕でエネルギーとしてグルコースを与え、体脂肪の使用をストップするような支持療法がメインとなります。
 脂肪肝や肝硬変などの病気の原因として、愛猫の欲しいままに餌を与え続けた飼い主さんに問題があります。
 さらに、肥満は糖尿病、足腰の病気、皮膚病、呼吸器疾患なども引き起こします。この辺りを考えバランスの良い食事管理をしましょう。


薬物による猫の肝臓病

 薬物を治療の目的に使用する場合、その薬物の主作用のほかに通常いくつかの副作用が現れます。経口的に投与された薬物は胃や腸管から吸収された後、門脈を経て肝臓に到達します。薬物が肝臓組織に対し毒性を有する場合、肝臓で代謝された後、毒性がある場合に肝障害を引き起こすことがあります。
 肝臓の組織の再生能力は非常に高く、薬物による障害に対しても機能を損なわない様に働いています。大きな機能を持つ肝臓が障害され、疾患現れた時には肝障害はかなり進行した状態にあると言われています。どんな薬物でも推奨される用量の投薬であっても長時間の服用は注意が必要と言われます。
 薬物による肝疾患は無症状のものから急性の肝炎に至るものまで多様です。一般に急性の障害は細胞障害(変性壊死・脂肪症)か胆汁分泌障害があり、慢性では脂肪化、線維化、肝硬変などがあります。



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